79話 ページ30
A視点
「ハァ……」
なんだか、ここ最近書類の量が増えてる気がする
何故……
クザンさんに秘書が付いたって事は書類の量が減る筈なんだけど……
「失礼します」
そう言って入ってきたのはハートだった
「此方、今朝の巡回の報告書を持ってきましたのでサインをお願いします」
「ありがとう、ハート」
書類を受け取り間違いがないかをチェックしてからサインを書いた
「ごめんね、報告書任せちゃって」
「いえ！A中将はご多忙なんですから、このくらい当然です」
「そう言ってくれるとありがたいよ」
「それにしても、凄い量の書類ですね」
「量が多すぎて参っちゃうよ」
机の上に積み重ねられた大量の書類
クザンさんがサボって溜め込んだ書類並にあって、毎日やってもやっても終わらない
ホント、どうなってんの？
「何か持っていく物はございますか？
よろしければ、この書類と一緒に持っていきますが……」
「あー、それじゃあこの書類をクザンさんにお願い出来る？
さっきの始末書はクザンさんに持っていく物だろうからそのついでにお願い」
「分かりました！」
かなり量がある書類をハートに渡したらハートは楽々と書類を持って運んでいった
アタシも気分転換がてら書類を提出しに行くか
コレはサカズキさんで、コレはボルサリーノさんだったよなァ……
毎回ナナに持って行かせるのも悪いしね
そう思いながら書類を持って真っ先にサカズキさんの元へ向かった
「失礼します」
中に入ったら怖い顔して書類と見つめていたサカズキさんの姿があった
「なんじゃ、Aか」
「はい、サカズキさんへの書類を提出しに来ました」
「は？わしゃあお主に書類を頼んだ覚えはないぞ」
「え？」
サカズキさんの言葉に思わず素っ頓狂な声が出た
「でも、コレサカズキさん宛の書類ですし……」
そう言って渡した書類を受け取って暫く見つめた後にまた怖い表情になった
「コレはお前じゃなく、クザンとこの秘書が持っていった書類じゃけ！」
バン！と机の上を叩いて此方を睨んできたけど、正直な話アタシは全く知らない
「ナナがアタシの机の上に勝手に置いてったやつをアタシはやっただけなんで睨まないでくれます？」
「ったく、見覚えのある字だとは思っておったが、まんまと騙されたのが気に入らんだけじゃ！」
ボッと腕が燃えて書類が少し焼けたけれど、アタシは何を言ってるのか全く理解出来なかった
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