74話 ページ25
A視点
「何がよくやった訳？」
「女だから体を売って出世したからバチが当たるんだよ！」
周りに自分より階級が上の奴がアタシ以外に居ないからそんな大口を叩ける訳ね
「噂に踊らされるとか相当頭が悪いのによく大佐になれた事だ」
「なんだと！！」
「馬鹿がでしゃばるなって言ったのよ」
シチューにかかった水が入ったからおばちゃんに変えてもらいながら机を拭く物を持ってきてと新兵に頼んだら大きな返事をして取りに行ってもらった
その態度が気に入らないのか大佐はアタシの胸ぐらを掴んできた
「調子に乗るなよ！！
お前なんか……！！」
その言葉を続けるより先に誰かがアタシの胸ぐらを掴んでいた腕を握りアタシの胸元から手を離させた
「大佐の分際で中将に手を挙げるとは常識も成ってないようだな」
掴んだのはハートでその周りにはアタシと一緒に今日巡回した部下達が囲んでいた
「はっ！お前だって体を売って成り上がったんだろ！！」
「体を売ったなんてなんでお前達に分かる？
そもそも誰がそんな事をしたなんて言った？
なんでA中将の実力を知らない奴がそうやって決めつけられる！
お前なんかがA中将に敵うと思うなよ！！」
ハートが握る力を強め大佐は小さく呻き声を上げたが直ぐに振り払った
「大体おれはお前に言ってねェんだよ！！」
「アタシは別にアンタ達に何を言われようが構わない」
アタシの言葉に部下達は此方を一斉に振り向き驚いた表情を見せたが直ぐに何時もの表情に戻ったのに対して大佐はニヤリと笑った
「否定しないって事はそう言う事だろ！？」
「アタシは別にアンタ等有象無象共になんと言われようが構わない。
大体、なんの好意も抱いていない奴の価値観を否定してなんになる？
そんな事をしてる方が時間の無駄。
だったらアタシはその時間を鍛錬に使った方が有意義だと思うね」
その言葉が頭にきたのか思いっきり頬を殴られた
「「「A中将！！」」」
「ケッ、この程度も交わせないとかやっぱり噂は本当みたいだなァ！？」
「アンタの攻撃に交わす価値がないから」
「なんだと……！！」
「まだハートの方がいい殴りをするね。
アンタと同じ階級のハートに殴られる方が痛いし頬を殴られれば歯も簡単に折れる。
対してアンタの殴りは口の中を切って血が出る程度。
どっちが痛いかなんて一目瞭然でしょ？
男の癖に力が弱いとか、よくそんなので大佐になれたね。
頭が悪い上に力不足とか……
海軍の恥晒しだから、海兵辞めたら？」
アタシはそれだけ言って机を拭く物を持ってきてくれた新兵にお礼を言って机を拭いた
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