52話 ページ3
A視点
『私は……！！
此処に残るけど……！！
いつかまた会えたら、もう一度仲間と呼んでくれますか！！』
っ……！しまった……！！
砲撃するべきだった！！
もし王女と麦わらに繋がりがあるのだとすれば海軍に頼れなかった王女が海賊を頼り、クロコダイルを倒してもらったんだろう
作戦を王女が知って止めていたと言うのはスモーカーから聞いてはいたけど、コレなら砲撃をして彼女のスピーチを聞かせるべきじゃなかった……！！
コレくらいの事、容易に想像出来た筈なのに……！！
だけど、コレばっかりは仕方ないと思いせめてもの思いでアタシは麦わらの方を追った
そこには目の前に居るアタシにしか見えないくらい小さな姿だったけど、1番後ろで全員が左腕を挙げていた
後ろを見れば王女様も同じく左腕を挙げていた
！……コレは、黙っておくか
王女様は無関係
そもそも、今回の事件は七武海なんて制度を入れた政府側の落ち度
何も出来なかったのならせめて、黙っていよう
海賊と王女様の関係を……
「どうかされましたか？A中将」
「いや、なんでもない。
全員、砲撃開始！！」
「「「！はい！！」」」
アタシが砲撃の指示を出し、砲撃を開始させた
全員が撃つのに夢中になって王女様を見ないように、出来るだけ後ろを振り向かせないようにアタシは指示を出した
暫く経てば他の軍艦からも大砲が撃たれたが、数十分後にはまんまとあの一味から逃げられてしまった
アタシはヒナと合流しクロコダイル、及びクロコダイルの部下を乗せた船とボン・クレーとか言う一味を捕らえ拘束していた
「A、貴方どうして麦わらをちゃんと追わなかったの？」
「アタシはちゃんと追ったよ」
「それで逃げられたと言うの？」
「中将だって逃げられる事くらいあるよ。
まァ、麦わらなら新世界に入る前には潰す。
そんな事よりスモーカーには伝えてくれた？」
「えェ、勿論。
分かったと言っていたわよ」
「ん、ならいいや」
「取り敢えず、インペルダウンへの護送よろしく。
私は本部に戻って報告書を提出してくるわ」
「よろしく〜」
ヒナの船から降り、自分の軍艦に乗り込み連行された海賊とクロコダイル、及びその他を連れてインペルダウンへ向かった
「……ハァ」
なんて言い訳しよう……
コレ、アタシが捕まえた訳じゃないしアタシの今回の活躍は皆無だしなァ……
でも、一応約束は守ったから今度はアンタが約束を守る番よ、スモーカー
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