69話 ページ20
A視点
ハートは地面に仰向けになり起きあがろうとしたがお腹に座り竹刀を首元に当てた
「まだ続ける？ハート」
「カハッ、いえ……
私の、負けです……」
吐血しながらそう言ったハートに笑いかけながら上から立ち退き手を差し出したら素直にアタシの手を握って立ち上がった
「もう医務室は開いてないか……
怪我は大丈夫？」
「問題ありません。
目立った外傷は殆どないので自分で手当て出来ます」
「アタシが包帯とか巻けたら良かったんだけど、生憎この腕じゃ消毒してやる事も難しくてね。
言っておくけど、傷を最小限に抑えるとかの余裕までは無かったから」
「！十分なお言葉です」
アタシの言葉にハートは嬉しそうな表情を浮かべた
その後、部屋へ戻ろうと言う話になり歩き出そうとしたが、ハートの足取りが心許なかった
「肩くらいなら貸してやれるよ。
歩ける？」
「えぇ、大丈夫です。
幸い覇気を纏っていたとは言え竹刀だったので……」
「？竹刀でも関係ないでしょ？」
「気づいてないのかもしれませんが、A中将は生身に覇気を纏う時と物に覇気を纏う時の強度がかなり違うんです」
！？そうだったの……！？
知らなかった……
！だから訓練をやったあの時、左側を狙い続けられたんだ
咄嗟に出るのは攻撃された反対側の足
そしてアタシの右足は棒だから少しでも武装色の威力を軽減させる為だったんだ
「まァ、痛い物は痛いですし、覇気である事に変わりはないのでそこまで気にされる程ではないですよ」
「いやいや、そう言われちゃったら気になるでしょ」
剣を使わないからいいかとも思うけどアタシの足は片足が生身じゃない
ならばそこを突かれて攻撃される可能性もある
アタシも剣とかを偶には振るおうかなァ……
一応刀は1本持ってる訳だし、刀を更に使えるようになって損はないでしょ
「けど、アタシの弱点か……
参考になったよ」
「そんな、とんでもない。
そんな弱点て言う程のものでもないですし、もし仮にそこが弱点だとしても補える強さを持ってるじゃないですか。
何より、悪魔の実の力を使われたら私はおろか、部下全員で挑んでも瞬殺ですよ」
「あはは！そこまで大袈裟な力じゃないよ」
「いえ、十分大袈裟な力ですよ」
確かに、この実は代償を払ってるから実自体の弱点はほぼないと言っても過言じゃないけどねェ
暫く歩いていたらハートの部屋の前にたどり着いた
「部屋は確か此処だったね」
「はい」
「なら、早く治療して休みな。
おやすみ」
「送って下さり、ありがとうございます」
歩き出したアタシの後ろで頭を下げるハートに向かって手をヒラヒラと振りながら自室に戻った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
