62話 ページ13
A視点
「今度淹れ方教えてよ」
「！はい！！
コーヒーの豆を買うのでしたらシャボンディ諸島がオススメです！
偶に物凄いレア物が売られてたりするんですよ！
勿論マリンフォードにも色んな島からのが売られているので豊富なのは豊富なのですが、シャボンディは海賊からのもあるのでより種類が豊富なんですよ！
その代わり偽物もいっぱいあるんですけど……」
凄い熱量で語られた説明に軽く押され気味になりながらもアタシはオススメのやつを今度教えてと言ったら勢いよく返事をした
「んー、コレでハートがやってくれたやつは終わりかな」
後は提出しに行かなきゃ
「お疲れ様です。
提出でしたら私がして来ます。
書類はまだ残ってるみたいですしね」
「いや、流石にそこまでは……」
「私が貴方のお役に立ちたいんです」
そう言うが早いかハートは書類の山を持ち出て行った
……やっぱり両腕あるといっぱい持ち運べるのは羨ましいな
望んで差し出した右側の腕を左の手で撫でながらそう思った
今でこそ慣れたもののやっぱり不自由で仕方ない
書類を運ぶのだってそんなに持てないし落としたら拾うのも大変
右眼は完全に見えないから右側にプリントが落ちたりでもしたら気づかない時なんかザラにある
「欲しくなっちゃった？
右側の無くしちゃった物」
「……別に、欲しいと望んだ時点でそこに契約が生じるんでしょ？」
中から出て話しかけてきたマキマには興味がないように返した
悪魔達と契約を交わした所でどうせ右側は知らない人の物を付けられるに決まってる
代わりに自由を内容とされたらもうアタシには止める術が残ってない
「それに、コレはあくまで戒め。
アタシが弱いから招いた結果なのよ、コレは」
「ふーん、なんだ。
つまんないの」
それだけ言い残しマキマはアタシの中に消えていった
「ハァ、ったく」
1人になるとどうも弱くなる自分がまだまだ甘いのだと思い知らされてアタシは無心で書類整理をし始めた
数十分後、ハートが戻ってきて「次は此方を提出してくればいいですか？」と聞いてきて「それじゃあお願い」と言う会話を何回か繰り返していたらあっという間に書類の山が綺麗に片付いた
「久し振りに机が広く見える」
必ず書類はあったのに……
時間はかなり遅くなっていた
「ごめんね、此処まで付き合わせちゃって」
「いえいえ！
A中将の役に立てたのなら本望です！！」
ピシッと綺麗な敬礼をしたハートにアタシは微笑み、夕飯食べに行こうかと提案したら「是非！」と満面の笑みで笑ったのを見て食堂へ向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
