61話 ページ12
A視点
「アンタが何を思ってアタシに回したのかは知らないけど、アタシにこれを回すのならアタシはそれをしても構わないと判断して書類を作る。
そんな事をセンゴクさんやクザンさん達は承知してるからアタシにはこの手の書類が回ってこない。
クザンさんの秘書なら、クザンさんと関わる人間の性格くらい把握しておきなさいよ」
それだけ言い残しアタシは失礼しますとだけ言い執務室に戻った
戻ったら綺麗に机の上で山積みになっている書類の山とハートの姿があった
「あ！すみません。
此方の書類にA中将のサインが必要で……
サインが終わりましたら此方の書類は提出してきますね」
「え、これ全部……？」
「？はい！」
……めっちゃ整理されてる
それに、提出者ごとに分けられてる
全部ごちゃ混ぜで渡したし、やったのなんて精々2.3時間くらいだろうに……
「凄いね、こんな短時間で……」
「私に出来るのはこのくらいの事しか……
お役に立てましたか？」
「役に立ったって言うよりは……」
役に立ち過ぎって言葉がしっくりくるけど……
「ありがとう、ハート」
「！はい！！」
アタシは椅子に座り、先程受け取った書類にサインをしていたらハートは立ち上がって「少し借りますね」と言いお湯を沸かしてコーヒーを作ってくれた
作ったコーヒーをコップに注いで邪魔にならない所にハートは恐る恐る置いた
「お口に合うのか分かりませんが……」
「コーヒーはよく作るの？」
「はい！
コーヒーだけじゃないんですけど、私は紅茶とか自分で作って淹れる飲み物が大好きで休日には豆や葉を買いに行くんですよ」
「へぇ、そっか」
ハートの説明を聞きながらコーヒーを飲んだら今まで飲んだ事ないくらい美味しかった
「どうですか？」
「凄く美味しいよ」
アタシが淹れてもこんなに美味しくはならないし、使っていたのはアタシの使ってる材料……
何をどうしたらこんなに違いが産まれるんだろ？
「それは良かったです！」
ハートの出身は確か
……あんまり詮索するのは良くないか
あそこはあんまりいい島とは言えなかったけど、ハートからしたらそこは故郷であり住んだ事すらない赤の他人に悪く言われるのも嫌だろう
だからと言ってその街を好きなのかと言われるとそれは本人にしか分かり得ない事だろうから聞かないでおくか
その趣味がどう言う経緯でなったのかは……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
