51話 ページ2
A視点
暫く眺めていたら麦わらの海賊船は動かず、アヒルみたいな海賊船の方が動き出し、軍艦は全隻そちらの海賊船を追いかけ始めた
アタシはヒナに向けて電伝虫をかけた
「何してんの？ヒナ」
「あのアヒルに麦わらの一味が全員乗り込んだから追いかけてるの！
用はそれだけ！？
忙しいから切るわよ！」
！麦わらの一味が……？
じゃあ、あの羊の海賊船にある気配は何？
「ねェ、もしかしたら……」
アタシはそこまで言って言葉を止めた
「？何？」
「いや、なんでもない。
アタシもそっちに加わろうか？」
「万が一の為にまだ待機しておいて！」
ガチャとヒナに切られて待機と言う形になった
「よ、よろしいのですか？
羊の船から感じる気配は恐らく麦わらの一味だと思われますが、それを言わなくて……」
「聞かれなかったから」
ハートに言われた言葉にアタシは適当に返事を返して立ち上がり、船首から降りて甲板に立った
「あの、そのような問題では……」
ハートが何か言いかけていたが、羊船が動き出した事によりアタシ達の乗っている船はその海賊船を追いかけた
「？何時もみたいに追いかけないんですか？」
「ん〜？
ちょっと眠くてさぁ」
ふぁと欠伸しながら背後で砲弾の音が鳴り響くのを聞きながら追いかけた
音を聞く限り、後ろはアヒルを容赦なく壊してるんだろうなァ
ハァ、この後ヒナにもなんて言い訳しようか
「あの、A中将。
もしかして、体調が優れないのでは……？」
らしくないアタシの姿を見てハートを始めた部下達は心配と不安と言う眼差しで向けていた
だが、アタシは元気だよとだけ言い指示は出し終わった為、船首の上に戻った
船を走らせていたら島からは女の人のスピーチが聞こえた
「A中将！
砲撃の指示を！！」
「ん？あー……
砲撃は五月蝿いからちょっとタンマ。
アタシ、あの人のスピーチ聞きたいんだよねェ」
「！？A中将！！どうされたのですか！？」
どうしたのかはアタシが聞きたいってーの
『私、一緒には行けません！！
今まで本当にありがとう！！
冒険はまだしたいけど、私はやっぱりこの国を……
愛してるから！！』
その声と共に岸には女の人と鳥が1匹居た
？今喋ったのは彼女？
「！？あ、アレは、この国の王女様では！？」
！？王女様！？
さっきのスピーチの内容からするともしかして、王女と麦わらに何か繋がりが……？
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