50話 ページ1
A視点
「久し振りね、A」
「久し振り、ヒナ」
この前も思ったけど、アタシヒナの事苦手なんだよなァ
ヒナの顔を見て挨拶が終わった後、少し視線を逸らした
「！また隈が出来てるじゃない！」
突然大きな声を出したかと思ったらアタシに近づき目元を引っ張られた
「ちょ、何して……」
「しかもかなり濃くなってるじゃない！
だからあれ程睡眠は大事だって言ったのに！！
ヒナ失望！！」
苦手な理由はコレ
アタシの顔を見るなりやれ野菜は食べてるのか、ちゃんと風呂上がりには保湿してるのか、睡眠はちゃんと取ってるのかと一々お母さんみたいに五月蝿いから苦手
しかも、この場合どうやってあしらえばいいのな分からないから余計に……
「ちょっと！ちゃんと聞いてるの！？」
「あー、うん、聞いてる聞いてる」
肩を掴んで揺さぶってくるヒナに対して適当に返しながら今どうなってるのかを聞いた
ヒナが言うに、港は全て塞いでいるが、麦わらの一味の海賊船が一向に見つからないらしい
「まァ、見つからないのなら出航時を狙えばいいでしょ」
ふぁと欠伸をしながらアタシは東側へ軍艦を向かわせる様に指示を出した
「A、貴方スモーカー君に会わなくていいの？
何やらスモーカー君が貴方と話したそうだったけど……」
「それなら海上で聞いたよ。
あぁ、スモーカーが居るのなら約束をもし守ったような結果になったら1発殴らせろって伝えといて」
「？それはいいけど、約束って？」
「外部に言えないような約束」
一歩でも間違えればアタシの首がとんでも可笑しくない事をアンタはアタシに頼んだんだからね
クソッと思いながら船に乗り込み指示を出した
まァ、それを受け入れちゃうアタシもアタシだよねェ
「ヒナ！アタシは東側の海上へ行く！
それ以外はヒナ達に任せる！！」
アタシの軍艦は1隻
それに対してヒナが率いてる軍艦は10隻以上
精々アタシ達が守れるのは1箇所
その箇所に来たら約束は守ってあげる
けど、それ以外に来て約束を破る結果になったとしても恨みっこなしよ、スモーカー
船に乗り込んでから何時も通り船首に座り、欠伸をしながら海を見張っていた
暗かった空が明るくなり、探すのが面倒になり始めた頃、ヒナから麦わらの一味の船を見つけたと言う情報を聞きヒナが対処している
アタシは万が一に逃げられた時の為に待機しといてと言われた
「どうやら天はアンタを生かす気はないらしい」
麦わらのルフィ……
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