初恋の味【夏目残夏】 (ページ9)

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7.契約ページ9

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「初めまして、兎羅A様。」

ラスクを食べていると、もう一人の男の人があたしのところへ来た。

「僕は凜々蝶様のSSの御狐神双熾と申します。A様とお会いできて光栄です。」

御狐神さんという人は、あたしの手を取って跪いた。

あ「え、あ、あの…あの…」

御「嬉しいです。凜々蝶様と仲良くできそうな方がこの妖館にやってくるなんて…」

「御狐神君、手を離して。兎羅さんが困っているだろう？」

すると、席に座っていた小さな女の子があたしのところへ来た。

「僕は白鬼院凜々蝶です。よろしくお願いします…とでも言っておこうか？」

凜々蝶ちゃんという子は、そう言うとふんっと笑ってあたしから顔を逸らした。

あ「貴方が凜々蝶ちゃん…ふふ、可愛らしい方ですね。」

凜「な、そんなことなどない…//ま、まあとにかく今日からよろしく頼む。」

あ「…はい。」

あたしは凜々蝶ちゃんを見つめて柔らかく微笑んだ。

さっきまであたし怖がってたのに、今は全然そんなのない。

ここの人たち、今まで会った人たちとは違う。

みんな、すごく温かい。

渡「そう言えば～...お前SSは契約してないのか？」

あ「え？」

野「あたしも思ったわ～、Aちゃん可愛いんだから…守ってくれる人が必要じゃない？」

あ「そんな必要はないですよ。自分の身くらい、自分で守れますし。」

御「僕も契約した方がよろしいかと…いくら自分の身を守れたとしても安全のために必要だと。」

あ「でも…」

みんながそう言うと、あたしは戸惑ってしまった。

そう言えばSSを契約するかしないかの契約書をもらったけどサインしてない。

だって…独りになるためにここへきたのだから。

残「じゃあ～...ボクがAたんのSSになる～♪」

あ「え…？」

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