27.胸の動悸 ページ29
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―夏目君がそう言い、あたしを見つめる。
そっか…夏目君は百目だから…
もしかして、あたしの過去も…
あたしは頭の中が少しパニックになってしまった。
残「…過去に何があったか、詳しくはわかんないけど、あったんでしょう?」
あ「え…夏目君、百目でしょう…?視えるんじゃ…」
残「君が、他人に触れさせないようにしようとガードがかかってるから…ボクでも視えないや。」
夏目君が薄く苦笑いをしてそう言う。
そう、なんだ…
あたし、他人に知られたくない…そう思っていたから。
だから、夏目君にも視えないんだ。
あ「…」
残「…ボクは無理に聞き出さない。だけど…辛くなったら、頼って欲しいな。」
あ「…どうして、夏目君はそんなに優しくしてくれるんですか?」
残「ええ?だって、ボクは君のSSでしょう?」
夏目君はくすっと笑ってそう言うと、あたしの唇に人差し指を当てた。
ドクン…
あ「あ、あの、あの…//」
あたしは恥ずかしくなり、思わず俯いた。
残「Aたんは相変わらずシャイだねっ♪じゃ、そろそろ帰ろう。」
あ「ってまた視たんですかー!?//」
夏目君がくすくす笑いながらあたしより先に歩き出した。
あたしは夏目君のあとを駆け足で着いて行った。
…今は、過去のことを話せないけど…いつか、夏目君には知ってもらいたい。
あたしの過去に、何が起きたのか…
だけど、不思議。
夏目君と出会ってから、胸が高鳴る。
こんなこと…彼がいなくなって以来、なかったのに…
どうして?
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作者名:紗也 | 作成日時:2013年8月13日 11時