初恋の味【夏目残夏】 (ページ3)

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1.背の高い男の人ページ3

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―あ「ありがとうございました。」

あたしは業者の人にお礼を言うと、残りの荷物が乗った台車を押していった。

あ「お、重い...」

私は重い台車を必死で押した。

入り口まで来ると、扉を開けようと扉の取っ手に手を掛けた。

ガチャ

すると、向こう側から扉が開きある人が出てきた。

あ「あ、ご、ごめんなさいっ！」

？「あれ～？君見かけない顔だね～。」

出てきた人は背の高い男の人だったんだけど...

赤紫色っぽい髪を一本に結んでいて右目に包帯を巻いていた。

おまけに黒いうさ耳もつけていた。

男の人はあたしの顔を覗き込んできた。

あ「あ、あたしは...」

？「…あ、分かった！君今日から来る新しい住居者さんでしょう？」

あ「は、はい...兎羅Aって言います。16歳です。」

残「へぇ、可愛い名前だねぇ！ボクは夏目残夏。よろしくね？」

あ「夏目、君...よろしくお願いします。」

夏目君という人は、にこにこしながらあたしを見つめてくるけど、あたしは少し怖くて目を逸らしてしまった。

残「…ボクのこと、怖い？」

あ「え…」

残「Aたん、ボクにおびえてる？」

あ「そ、そんなことないです！あ、あの...通していただけませんか？」

残「あ、ごめんごめん。ど～ぞっ♪」

夏目君はそう言うと、扉を開けて通しやすくしてくれた。

あ「あ、ありがとうございます...」

あたしはそれだけ言うと、台車を押して中へ入っていった。

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