15.屋上 ページ17
・
・
―そしてあたしたちは屋上でお弁当を食べていた。
渡「はぁ!?やっぱりSSは契約しないー?」
あ「う、うん…」
凜「どうしていきなり?昨日夏目君はやる気満々だったし、今日の朝だって君を送ってくれたじゃないか。」
あ「そ、そうだけど…」
カ「…夏目のこと、嫌い?」
あ「え、そ、それは絶対ない!だって…夏目君優しいもん。」
カ「じゃあ…どうして?」
あ「…あたしには勿体無いっていうか…なんていうか…」
あたしはお箸を一旦止めると俯いた。
あ「…」
それに、あの時のようになってほしくない。
・
・
―『A!危ない!!』
あ『え…?』
ドンッ!
キキーッ…!!
あ『…!!龍也ー!!!』―
・
・
また、思い出してしまった。
あの時の過去を…
凜「…過去に何かあったのか?」
あ「え…?」
凜々蝶ちゃんがそう言うと、あたしは顔を上げて凜々蝶ちゃんを見た。
あ「そ、そんなことないよ…とにかくあたしには夏目君は勿体無い。ただ…そう思っただけ。」
渡「でも…自分の身はどうするんだよ?」
あ「大丈夫。自分で守れるから…」
あたしは二人を見つめて微笑んだ。
カ「…これ、食べる?」
カルタちゃんは食べていたクッキーの袋をあたしに差し出してきた。
あ「あ、うん…ありがとう。じゃあ一枚もらおうかな?」
あたしは笑顔を作り、カルタちゃんから一枚クッキーをもらって食べた。
これで、いいんだ…
SSなんか契約しなくても。
・
・
93人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紗也 | 作成日時:2013年8月13日 11時