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○ Floyd・Leech ○
「ぐえっ…!」
突然自分の上に何かがのし掛かってきた衝撃で
目を覚ました。
むくりと上体を起こし、その何かを見下ろす。
「え… Aちゃん?」
自分の上に倒れるように乗っかっていたのは
Aだった。
すうすうと規則正しく寝息を立てている。
まさか、寝ぼけてここまで歩いてきたのだろうか。
横で眠っているジェイドを起こさないように
細心の注意を払いながら、
Aの頬をぺちぺちと叩いて呼びかける。
「おーい… 起きろってえ…」
全く起きる気配がないA。
苛立ちから眉間にシワを寄せたが、
昔と全く変わらない寝顔を眺めていると
自然に表情が緩んでしまう。
なんとなく、前髪を指で退け、長い睫毛を触ってみる。
するとAは目蓋を震わせ、うっすらとその目を開いた。
さっきまでは起こす気満々だったが、
いざ起きてしまうと「起こしちゃった」と
焦ってしまう。
Aの双眼がフロイドを写す。
そして嬉しそうにへにゃりと笑い、
フロイドの頭に手を伸ばして撫で回した。
突然の出来事に、キョトンと呆けてしまった。
「…ふろ、いど……?…寝れないの…?」
言い終わると、腕がパタリと落ちて、
Aはまた眠りにおちてしまった。
…なに、なんか俺、ドキドキしてる…。
何故かさっきのAの表情と声が頭から離れない。
月明かりに照らされているこの青年のことが、
とんでもなく愛おしいと、そう思ってしまった。
*
「えええ!?」
「チッ…うるせ…… 何」
翌日。
上の方からAの叫び声がして目が覚める。
結局Aにベッドを譲り、床で寝ていたフロイドは
睡眠不足でイライラしていた。
ベッドからAが顔を出し、こちらを見下ろした。
「ねえ、フロイド…僕なんでここにいるのかな…!?」
「…知らねーし、こっちが聞きたいんだけど」
顔を真っ赤にして頭を抱えるAを見て、
昨夜の出来事を思い出した。
フロイドは思わず口元を緩ませ、
そして悪戯な笑みを向けた。
「でもまあ、昨日は可愛かったよ、Aちゃん…」
「待って、僕なんか変なことしてた!?ちょっとフロイド!教えてってば!」
「教えなーい」
後ろで騒ぐAを華麗に無視しながら、
フロイドは今日も朝の支度を開始する。
・・・
ちなみにジェイドは何が起こってるのか分からず
2人を見ながらポカーンとしてます。
お気に入り200人超えありがとうございます!
びびってます!()
引き続きよろしくお願いします!
・・・
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作者名:inucoro | 作成日時:2020年5月27日 3時