イントロ。２

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「・・・」


A、照れたみたい。

ウォークインクローゼットの中から、
出てけえへん。


俺も中に入ってって。


「やっと、うちに奥さんが帰って来てくれた」


ぎゅっと抱きしめる。


目の前にある、おでこにキスして。

それから、
身体、屈めて、素早く、唇にも。


「ちょっと、亮、こんなとこで、」


「ええやん」


扉閉めて、仄暗い密室で、
壁際にAを立たせて。


頭、包み込むようにして、
引き寄せて。

もう一度、ゆっくり、唇、重ねた。


甘ったる・・・


くらくらする。


Aが、
俺の鎖骨のあたりの指輪に、
そっと、左手で触れた。


「たあ君、どうして、
指輪が結婚の印って知ってたのかな」


急に思いついたように、そんな事、言い出す。


実は、俺が教えてんな。

そんで、


「亮も、ママとの結婚の印の指輪持ってるんやで」


て、軽く自慢もした。


これは知られるん、ちょっと恥ずかしいよな。


「子供ってすごいよな。
すぐにいろんなこと覚えて」


とぼけといたら、


「亮の指輪のことも知ってた。
亮が教えたの？」


すぐにバレた。


「うん、まあな。
たあ君の誕生日やのに、
俺らがプレゼントもろたな」


それより、もっとキスしたい。


付き合いたてみたいな気分やねん。


ほっぺた手のひらで包み込で、
ちゅって、短いの。


そこで、たあ君に、

クローゼットの扉を、
バンって開けられた。

うわっ。

めっちゃ焦る。


キスしとったん、見られた？


けど、たあ君、嬉しそうに、


「パパと、ママ、みーちゅけた！
つぎ、たあく、かくでるば」


パパとママ、見つけた！
次はたあ君が隠れる番！


そう叫んだ。


えっ？！

いつの間に、隠れんぼなったんや。


「よし！
次はママが鬼やな。
たあ君、一緒に隠れるで」


俺が子供のせいか、
たあ君と遊ぶん、楽しいんよな。


「もう、
早く片付けないとダメなのに。
一回だけね」


Aは、文句言うてるけど、
優しいから、結局、遊んであげるねん。


今度は、たあ君と二人で、
ソファの後ろに隠れる。


たあ君は、俺の腕の中で、
息を潜めて、気配を消そうとしてて、
めっちゃ可愛い。

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