イントロ。

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今は、この、途切れてまいそうな、
大切な命を繋げることが一番大事や。


「うん、分かった。
章ちゃん、頼むわ。
脳外科にも連絡頼む。
今から引き継ぎの予定してたから」


Aのことは心配で、
後ろ髪ひかれるけど、
章ちゃんなら任せられる。


「亮ちゃん、急いで」


丸が、ナース達と、
たあ君のストレッチャーを押し始めた。


ライバルやけど、一旦、休戦や。








緊急手術は無事に成功して、
たあ君の心臓はまた、力強く動き始めた。


こんな小さくて、か細い身体でも、
ちゃんと、血が流れて、脈打ってる。


生きよう、生きたいっていう意志が、
きっと、すでに芽生えてるねん。


「今、この子は、
どんなことを考えてんねやろうな。
寂しいて、感じてないとええけど」


思わずひとり言、漏れてもうて、
丸に聞かれてへんか、

めっちゃ恥ずかしい。


「そういや、赤ちゃんの父親に連絡ついた？」


「それが、行けない、
そっちで勝手にお願いしますって、
おっしゃってて。
信じられません、あの父親」


丸は、ナースの真紀ちゃんと話してて、
聞こえてへんか、ってほっとした。


章ちゃんから、

Aは婦人科のベットで、
ぐっすり寝てるって、
過労やと思う。


そう連絡がきた。


けど、俺、このまま仕事やし。


A、ほんまにしんどそうやったし、
すぐに駆けつけてやりたいのに。


錦戸亮ごめん。今から引き継ぎで。迎え行けるん、夜中なるかもしれへん。それまで預かっといてくれへん?


章ちゃんにそう返信して、
後ろ髪引かれる思いで、
脳外科に向かう。


Aが、心配でたまらん・・・

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