32 ページ32
+
にこにこする彼を尻目に熱されたフライパンにハンバーグを投入。
ジュー、と良い音がする。
「わかった。じゃあ、今日は我慢する。だから一緒に寝よ？」
何もしないの意思表示なのか両手をあげている。
「信じられません。今までのこと考えると。
何度キスされたか…」
「それはあなたも悪いよね？俺だけが責められるのおかしくね？」
「まぁ、そうなんですけど…ていうか、ほんとにお泊まりは準備もいりますし、いきなりは無理です」
「準備？服は俺の貸すって」
「いや…それだけじゃなくて、ほんと、イロイロ準備不足なので…」
脱毛サボらずちゃんと終えておくべきだった！！！
なんて赤裸々なことを話すほど恥じらいは捨てていない。
なんだけど
「細かいことは気にしないよ。どうせ部屋暗くするし」
とか、無駄に女の実情に理解があるのか、こちらの考えを見透かすようなことを言ってきて返しに苦慮した。
「…だいたい菊池さんが彫刻みたいなのがいけないんですよ。引き締まった肉体ですし」
「そんなこと気にしないって。俺は職業柄鍛えてるだけ。それを彼女に求めないよ」
「でも女優さんの…」
そこまで言いかけてやめた。
よく食べのドラマで散々イチャイチャしてたな、そういえば。きっと綺麗な女優さんのもち肌もたくさん見たんだろうし。
そんな人の前にありのままの自分を晒すなんてむり！！
うしろからふわっと腕が回ってきた。
「火を使ってるから危ないです」
「すぐ離れるからこのまま聞いて」
優しい声に動きたくても動けなくなる。
「俺は、誰よりもAちゃんが1番だよ。
1番かわいいと思ってるし、1番だいすき」
「…それはどうも、ありがとうございます」
体を離して隣に戻ってくる。
優しく笑いながら
「皿準備すんね」
と棚からお皿を取り出してくれた。
「乾杯しよっか」
「3度目の肉を喰らう会に」
と私が言いグラスを合わせようとしたら
「違うでしょ」
と自身のグラスを私から遠ざけてしまう。
「付き合った記念でしょ？」
「あ。そうですね」
私がうなずくと、彼はご機嫌に笑う。
「はい、かんぱい」
彼の声と共にグラスが小気味良い音を立てた。
+
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にこ(プロフ) - こうこさん» コメント気づかずすみません！私もリアル設定大好きです〜♡いいですよね♡楽しんでいただけたようで光栄です。こうこさんはお話の続きは書かないのですか？お話思いついたら別のお話でもいいので連載してほしいです🥹 (12月16日 21時) (
レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
こうこ(プロフ) - 私も少しだけ書いていますが、リアル設定大好きです♡とっても楽しくキュンキュンさせてもらいました♡またリアル設定お願いします♡ (11月29日 20時) (レス) @page37 id: 65539e8dba (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 葵さん» きゅんきゅんしたという感想はめっちゃ嬉しいです☺️書いてよかったなと思います。楽しんで頂けたようで安心しました！最後までお付き合い下さりありがとうございました♡ (10月13日 19時) (レス) @page37 id: d06ef4e68f (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 最後まで楽しませていただきました😆きゅんきゅんが凄かったです！本当に尊敬です🙏更新お疲れ様でした！！ (10月13日 16時) (レス) @page37 id: b646f7c03f (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - yukiさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます🥺最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！コメントありがとうございました💕 (9月30日 12時) (レス) id: d06ef4e68f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこ
| 作成日時：2023年9月24日 12時
