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「ねぇ。なんかもう付き合う?
すでに池田さん俺に落ちてね?」
「落ちてないです!!」
ぶんぶん首を振った。
「ふふ。そうなの?じゃあ様子見ながらゆっくりいくか」
「いや、あの、様子見ながらとかそういうことではなくてですね…今の状況はとても困るというか…」
「困んなくてよくない?」
いつの間にか菊池さんの手が私の頬に触れていた。
「え、きく、ちさん、まって…」
「まじで秘密ね?」
待ってもらえなかった。
でも早急な感じもなかった。
ゆったりと余裕を持った口づけにうっとりしそうになる。
ささやかな抵抗のように彼の胸を押すと、
「かわいー」
と笑われた。
付き合ってもない、会社の、しかもデビュー組のタレントとキスだなんて…
「どうしよう…」
「どうしよっか」
ニコッと笑われる。
「やばい、ですよね…」
「ふふ。うん。だからバレないようにね?」
茶目っ気さえ感じる言い方。
なんでそんな余裕なの。
遊び慣れてるから?やっぱそうなのかな。
チャラいイメージもあると言えばある人だし…
「今日まじで帰るの?」
困る私にさらに困るようなことを聞いてくる。
「帰ります」
先ほどと同じセリフを繰り返した。
私の意志が固いのがわかると彼は諦め
「よし、わかった。じゃあ今日のところはお別れかな?」
と言い体を離す。
そして、送ろうか?なんて、私が送迎した意味!!と言いたくなることを言い出した。
「大丈夫ですよ!
そんなことしてたら私が送った意味、ないじゃないですか」
「それもそうだな。じゃあここでバイバイか」
「はい」
玄関で振り返ると
「明日俺ロケとスタジオ収録だから会社行かねーの。
会えなくて残念だね」
だって。
優しい顔して甘い言葉を言うのは、同じグループの中島さんの専売特許かと思っていたが、そうではないらしい。
「私は仕事に集中できるので…よかったかもです」
「でたよ!池田さんのツン!!早くデレてよ〜。
会えなくて寂しいですね、ぐらいの言葉が聞きたいね」
と笑いながら手を振る。
「気をつけてね?」
「はい。おやすみなさい」
「ん。おやすみ」
キスして優しく見送られてこれから先私どうしよう…
閉まったドアの前でしゃがみ込みたくなった。
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にこ(プロフ) - こうこさん» コメント気づかずすみません!私もリアル設定大好きです〜♡いいですよね♡楽しんでいただけたようで光栄です。こうこさんはお話の続きは書かないのですか?お話思いついたら別のお話でもいいので連載してほしいです🥹 (12月16日 21時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
こうこ(プロフ) - 私も少しだけ書いていますが、リアル設定大好きです♡とっても楽しくキュンキュンさせてもらいました♡またリアル設定お願いします♡ (11月29日 20時) (レス) @page37 id: 65539e8dba (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 葵さん» きゅんきゅんしたという感想はめっちゃ嬉しいです☺️書いてよかったなと思います。楽しんで頂けたようで安心しました!最後までお付き合い下さりありがとうございました♡ (10月13日 19時) (レス) @page37 id: d06ef4e68f (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 最後まで楽しませていただきました😆きゅんきゅんが凄かったです!本当に尊敬です🙏更新お疲れ様でした!! (10月13日 16時) (レス) @page37 id: b646f7c03f (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - yukiさん» こちらこそお読みいただきありがとうございます🥺最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります!コメントありがとうございました💕 (9月30日 12時) (レス) id: d06ef4e68f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ | 作成日時:2023年9月24日 12時