妖界ナビ・ルナ 長編集 ☆Myself who fell in love☆

・〜５〜・ ページ36

『私が一人になったら・・どうなると思う？』

それはA自身だけになる。


『そんなの俺が知るかよ。』

でも僕は知っている。


A自身だけになって、もう一人のAは居なくなる。
その際、もう一人の自分の"記憶"は、自分自身に戻ってくる事になる。

"感情"はもう一人の自分のものだから、自分自身のものにはならない。

つまり、僕に好意を持ったもう一人のAは居なくなってしまう。

｛ヒタヒタ・・・｝

タイ「カザン。次の玉は見つけたのか？」

カザン「ｺｸｯ)・・・・・。」

タイ「・・・！あの二人のどちらか・・・か」

一瞬、都合が良いと思ってしまった。
僕にとって都合の良い事は、A自身にとっては悲しい事だった。

愛しい人が泣く姿は見たくない。

しかし、戦うには・・・きっと、見ないわけにはいかないだろう。
A自身が僕を好きになってくれるなんて無理な事は分かっているのに。

カザン「クゥ〜ン」

タイ「・・・・・そうだな」

僕はただ、くやしいだけなのかもしれない。

風のよく通る、人の居ない場所。家の屋根の上。
そこで僕は静かに目を閉じる。


そう、ただ・・・・。


凄く・・・くやしいんだ。


end
・・・・・・・・・・・・
姉弟って時点で恋愛物にするのは難しくなってきます。
どうして弟なんですかタイ君！

剣を自在に操る妖怪　〜１〜→←・〜４〜・

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