（仮）インスタント・ラヴ (ページ4)

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03_特別① ページ4

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『ラインナップは、タオルとTシャツ～…』

「ふーん。」

『こちらが、仕上がりサンプルです。』

～～～～～

グッズ制作の打合せで、球場内の会議室に呼び出された。

そういやAAに配属先を聞き忘れたな、と

ぼんやりしていると

『鳥谷さん、こんにちは。』

ニコニコした彼女と、もう1人(彼女の上司なのかアシスタントか知らんが)がいた。

「…これの担当だったのか。」

『そうなんです、先日お会いしたときお伝えしそびれちゃって。』

肩をすくめながら、えへへと照れる彼女に

また目を奪われる。

渋く返すけど、内心めちゃくちゃ嬉しい。

心躍るってこういうことか。

正直、仕上がりとか別に俺は何だっていい。

センスなんていから、その道の人にやってもらえれば十分だ。

それよりも、彼女の白い手や控えめなベージュ色の爪先を眺めたりしていた。

…ただ、この缶バッチとキーホルダーだけは気になる。

年甲斐にもなく、ハートマークなんてついてるけど。。

"目覚めの一言"…声吹き込むのか…俺が？

「…こういうの、俺需要あるわけ？」

『女性ファンには大うけです。』

「俺、もう四十なんだけど。そんな渋いファンいるか？」

横の上司だかアシスタントだかは、あわあわしている。

いやだって事実じゃねーか。

いくらお任せとはいえ、俺のグッズだけ大赤字とかは勘弁してくれ。

『鳥谷さんは、確かに寡黙で硬派なイメージですけど』

「ん？」

☆★「特別①」

中途半端、再来。