26_幸せ ページ30
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M63 side
試合後。
約束どおり、Aさんを車で送る道中。
『康士朗くん、』
「はい。」
『ありがとう、って言っていいのか分からないけど…』
『いつか決断しないといけないと思ってた。そのきっかけをくれて、ありがとう。』
『それと…好きになってくれたのに、こんなはしたない大人でごめんね。』
「そんなことないです!Aさんは明るくて素敵で可愛くて…っ」
…俺、何言ってんだ。
トリさんに物申してから気が大きくなってしまったのか
流石に言い過ぎもいいとこだ。
『ありがとう…あのときの康士朗くん、かっこよかったよ。。』
あのとき。
トリさんと3人のときだろう。
…自分がやったことを客観的に見ると
なんだか急に恥ずかしくなってきた…!!
「いやっ、そんな…こと、ないっす。。」
『ふふ。』
Aさんの自宅が近付いてきたころ。
車を停めるよう言われた。
『ここで大丈夫だから。』
「分かりました、気をつけてくださいね。」
『いろいろ…ありがとう。』
ありがとう、と言いつつも
晴れない表情のAさんを見て、複雑な気持ちになった。
「本気です。僕は、Aさんに悲しい思いは絶対させません。」
『うん…。』
「ゆっくりでいいです。だけど、何かあったら必ず僕を頼ってください。」
『ありがとう…』
今度、お礼させてねとつぶやき
Aさんは助手席のドアを閉めた。
Aさんが、自分自身に素直になって
自分で納得できる答えを出してほしい。
…流石にこれはちょっと言い過ぎかと思い
口をつぐんだ。
☆★「26_幸せ」
一大決心と思いきやあとからかあぁぁっとなる、
若人(わこうど)らしさを出したかった。
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作者名:ぱるぱる | 作成日時:2022年4月26日 22時