19_盲目 ページ23
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『あの…やっぱり、やめましょう。』
「…何を?」
練習前、今日のバッティング練習のタイムスケジュールを確認していたら
Aからに声をかけられ、ミーティングルームに来た。
そこで告げられた、言葉。
「何も始まってないし、終わりにするものもない。」
『鳥谷さんには、ご家族がいる。』
「そうだな。家族は大事。Aも大切。」
自分が身勝手なのは分かっているけど
Aが大切なのは事実だ。
「こんなにも真っ直ぐに俺を見てくれて、話をしていると時間を忘れて楽しくて、いつまでも一緒にいたいと思うんだ。」
…俺を見るように仕向けたのは
紛れもない俺自身だが。
『私は、一番にはなれないんです。』
そんなの分かってる。
だけど、俺がやりたいようにやってるだけなんだ。
…そこに気付かれちゃ、困るんだ。
〜〜〜〜〜
主ちゃんside
『私は、一番にはなれないんです。』
自分を強く持たないと…
なのに、
「俺のなかでは一番だけど。」
『っ…』
どうして、そういうことを言うんだろう。
どうして、抱きしめるのだろう。
どうして、それを許してしまうんだろう。
どうして、私はこんなに弱いのだろう。
「好きだ。」
−やめて
『…です、』
「なに?」
−だめ
『好きです…』
「聞こえない。」
−あぁ、
『好きなんです…っ!』
あぁ、やっぱり
離れたくても離してくれない
ちがう。
離れられないところまで踏み込んでしまったんだ。
☆★「19_恋は盲目」
愛ではなく、恋。
だから手軽さゆえの判断であることにも気付けない。
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作者名:ぱるぱる | 作成日時:2022年4月26日 22時