instead of you (紫) (ページ2)

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「はーまちゃーん！」

ドタドタと地面を鳴らしながら俺に駆け寄ってきたのは同級生の桐山照史。

濵田「おはよーさん、照史」

桐山「なんやテンション低ない？
ま、朝やしな、いつものことか！」

元気で明るい。それだけが取り柄みたいなやつ。

…いやまぁ照史のいいところはもちろんそれだけではないんだけど。

桐山「今日の講義さ、後ろの方で受けへん？徹夜でゲームしてたから眠いねん、寝たい」

濵田「先週もおんなじこと言うてたやん。」

桐山「あれ、そうやったっけ」

濵田「どうせ前で受けてても寝るやろ」

桐山「ははっ、バレとるわ」

どこにでもいる普通の大学生…になれていると思う。

濵田「…また肩なんか付いてんで」

桐山「え？また？取って取ってー」

照史はどうやら幽霊を寄せ付けやすい体質で。

よく何かに憑かれている。

俺にそれをどうにかできる能力なんてのはないわけだけど、近くにいることでそいつらが悪さしようとする時に阻止することくらいはできるのではないか、と思ってごく自然に声をかけて友達になった。

幽霊のことは照史は知らない。

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