【氷と炎】⑭数原龍友 (ページ49)

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｢カルティエは買わんし、A以外の誰かになにかプレゼントすることなんてないで｣

まだ半ギレ中のAにそう言いながら手にしてたタオルを掲げれば、ムスッとしながらも僕の後ろに回って髪をタオルドライしてくれる。

わしゃわしゃされながら、後ろのAに聞いてみた。

｢ヤキモチ妬いたん？｣

さっき風呂ん中で付き合うかどうか、あんな渋り方しとったくせにヤキモチやんな、これ。

しかもカルティエの話、RAVEさんのファイナルの前の話やんか。

それ、今言うやなんてよっぽど気にしてたってことやん。

誰が聞いてもヤキモチとしか思われへんのに。

｢違う！｣

ガン否定。

しかも”絶対違う！”なんて追撃された。

｢えーそうなん？

寂しいわぁ｣

あんま追い詰めると取り返しつかんくなりそうやからこの辺で……。

｢そろそろ寝よか？｣

タオルドライされた髪を犬みたいに振って、後ろのAを仰ぐような感じで見上げた。

｢ベッド使ってええで｣

｢いや。それはさすがに……｣

そう言って遠慮しようとするAに被せて付け加えた。

｢僕もベッド使うけど｣

当然一緒に寝ます。

だってカレカノやもん。

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