【氷と炎】⑭数原龍友 (ページ47)

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｢ねぇ龍友、聞きたい事があるんだけど｣

｢んー？なにー？｣

まだ僕に腰を抱かれたままやったAが服のまま、肩までお湯に浸かった。

僕より少し下がった視線が上目遣いに見上げてきた。

｢カルティエのブレス……買うの？｣

｢は？カルティエ？｣

なんや急にカルティエって。

買うの……？ってなに？カレカノになったからお揃いでラブブレス付けたいとかそういうやつ？

｢欲しいんやったら買ったろか？｣

｢いらない｣

｢？｣

なんとなーく……ご機嫌がほんのり曲がった気がする、Aチャン。

やっぱり欲しいんかな。

今までそういうオネダリ無かっただけにちょっと意外や。

頭打ってからやっぱり言葉数は増えた気がする。

分かりにくいちゃあ分かりにくいけど。

｢カルティエでもハリーウィンストンでも、欲しいならええよ。

買いに行こか｣

｢だから違うってば！｣

あ、なんか完全に怒ったな、これ。

ザバッと派手な音を立ててバスタブから出ていくAは背中がめっちゃ苛立ってるご様子。

｢タオルと服勝手に借りるからね！｣

｢おー……クローゼット勝手に漁って好きなん着て｣

なんかよぅわからんけど、お怒りスイッチがっつり踏んだのは間違いなさそうや。

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