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「体も洗う？」
「どこまで洗ってくれんの？
全部？隅々まで？」
「背中だけ〜」
楽しそうに笑っとるAの方に頭だけ向けて、バスタブの淵に寄りかかる。
美容室みたいな体制で、ゆっくりお湯が掛けられて意外とこれが気持ちいい。
「かゆい所ないですか〜」
「はーい、ないでーす」
人の手で髪洗ってもらうのって結構気持ちええ。
シャカシャカ泡の音がして、あんなに料理ができひん不器用な子やのに手つきはなかなかなんが不思議。
「寝てまいそうやわ」
「え、寝ないでね。
私1人じゃお風呂から引き揚げられないよ」
シャワーが掛けられて、泡が綺麗に流されて。
自分で洗うよりさっぱりした感じ。
「うまいな、てっきりなんかやらかしてくるかと思ってたわ」
「やらかすってなに！」
信用されてへんかったことにちょっとお怒り気味やけど、体の向きを変えてAの方を見て両腕を風呂の外に投げだせばボディソープつけたスポンジでくすぐったいぐらい丁寧に優しく洗ってくれる。
「めっちゃ丁寧やん。
もっとガッシガシ来るかと思ったわ」
気持ちよくて目を閉じとると首んとことか肩から背中の方まで手を伸ばして洗ってくれる。
そん時に間近でAの匂いがして目を開けたら、抱き込まれる感じにAが僕の傍まで来てる事に気が付いた。
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作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
