【氷と炎】⑭数原龍友 (ページ27)

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荷物が多いやろうからエントランスまで降りると自動ドアが開いたその向こうでソファーに座っとるAがバカでかい荷物に囲まれとる……。

｢なんでやねん｣

どういう事やねん、その荷物。

大型キャリー2個？ほんでそれ空港のカートちゃうんってぐらいのやつに乗った大量の荷物。

｢ツアー行ったんやんな。

他になんか仕事あったん？｣

ツッコミから入る僕に気づいたAが立ち上がって”疲れた～”なんてこっちに振り返る。

短期間にアレコレ詰め込んで持ち続けてた緊張感が無くなったからか、穏やかな笑顔。

完全プライベートって感じやわ。

｢この荷物なんなん？

まさか、全部蟹？｣

｢うん、カニとか色々｣

とりあえず荷物半分持って部屋に上がる。

それにしても不吉な量やわ。

玄関入れるのも一苦労やし、ようやっとリビングに運び込んだはええけど、開けるのもまたとんでもない苦労。

｢ちょっと買いすぎたかなー｣

発泡スチロールに入った海産物をひたすら取り出してキッチンへ。

運ぶ作業を何度も繰り返してやっとひと段落やわ。

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