【氷と炎】⑭数原龍友 (ページ25)

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どうしたんや、この先輩方は。

さっきから荒れとるな。

まだ三代目さんは北海道のはず。

リハの合間に僕に電話かけてきてるみたいやけど

なんやろか。

この電話の意味を探ろうとする僕に登坂くんの柔らかい声。

｢まあ、頑張って。

元に戻るように祈ってる、Aとのこと｣

意味がわからんけど、意味深な言葉。

けど、優しい声がスマートにAっていうのがチリっとする。

そない仲良くなってんのやね……って。

｢A泣かしたらソッコーで奪いに行くわ、俺ら｣

｢いやいやいや、泣かさないですよ。

大事にします｣

って、記憶戻ってへんけどもさ。

てか俺らってなんやねん。

今市くんもAの事狙っとんのかい。

勘弁してくれや、どんだけ敵増えるねん。

これ以上増やしたないで、ライバルは。

心底思う僕に”結婚式には呼ばれても行ってやらないからな！”なんて捨て台詞。

プツリと電話が切れて呆気にとられる僕。

多分Aの話やんな、今の全部。

登坂くん達はAからどこまでどんな話を聞いてるのかよぅわからんけど、なんか僕の話にはなったっぽいな。

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