今日:33 hit、昨日:0 hit、合計:37,800 hit
小｜中｜大
670 ページ20
◇
なんコール目かで電話の向こうからAの声が聞こえた。
｢ごめん。今仕事終わってん｣
”お疲れ様”っていう声が少しぼんやりしとる感じ。
もしかして寝てた？
｢あれ、今日飲んでへんの？｣
｢少し飲んできたよ。登坂さん達と。
でももうホテルだよ｣
やっぱり飲んでたんかい。
まあそれにしては早いお帰りで……。
あの酒豪がほとんど飲まずに帰るって具合でも悪いんかな。
｢あのね、聞きたい事があったの｣
｢どしたん？｣
多分電話の向こうでは布団の中に潜り込んで目を擦ってるんやと思う。
口調がどんどん舌っ足らずになっていく感じ。
眠気を押してまで聞きたい事って、今日の面会の件やんな。
Aには簡単な説明しかしてへんし、色々細かい事が気になるんやろ。
ましてやNEOさんには詳細に説明しとるから、そこから話聞いたかもしれへんしな。
｢蟹ってどんな蟹買えばいいの？
タラバガニ？越前ガニ？毛ガニ？｣
｢蟹かい！｣
元カレちゃうんかい。
一気に聞い抜けたわ。
隣で僕の渾身のツッコミ聞いとった涼太は大爆笑しとるわ。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
