【氷と炎】⑭数原龍友 (ページ11)

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ビックリするぐらいミスマッチで、しかも気持ち悪いぐらいにニコニコ笑顔を振りまいとる。

それでも視線に違和感を感じるから、そういう事なんやと思う。

僕を見て暴れて殴りかかってくるかと思っとったけど、まるでイベント開催してるみたいな営業スマイルを僕に向けてきた。

予想してなかった事に僕も社長も固まってもうて、その空気を察してかスタッフさんが動いてくれる。

「どうぞ座ってください」

スタッフさんに勧められて、社長と僕が並んで座って

少し離れた場所にあるテーブルに元カレとスタッフさんがついた。

さらに扉の近くに2人のスタッフさんも控えとる。

暴れる……とかそういう事を想定しとるんやろな。

「すみません数原さん」

少しだけ流れる緊張感の中、何の前触れもなく話しかけてきたのは向こう。

僕を数原龍友やと認識しとる。

「Aが待ってるんで手短に願えますか？」

場が凍り付くような感じ。

こいつの口からまだAの名前が出たし

どうやらこいつの頭の中ではAとは付き合ってるとかそういう関係になってるっぽい。

さすがに面食らったけど、時間もないし聞きたい事だけを口にした。

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