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◇
「数原さんの事を覚えてて
他の事を忘れてればいいのにって」
言いながらゆらゆらと瞼が落ちていくA。
急に襲ってきた睡魔に逆らえず、トロンと蕩けた目。
ほんで夢の中に入り込む瞬間に。
「嘘でも記憶が戻ったって言えば
ずっとこうやってそばにいてくれるのかなって、ちょっとズルい事考えちゃった」
夢の中に引き込まれて行くような感じに寝入ったA。
一瞬理解が遅れた僕。
で、理解して悶絶やわ。
もう僕の事好きでええよな？
これ好きって言ってるようなもんよな？
このタイミングですんごい爆弾放り込んでいったけど
なに？どういう事？
別に記憶戻らんでもええやん？
もう今僕の事好きって言うたったらええやんか。
僕はもう好きって……あれ？言うたっけ？
記憶を呼び起こせば言ったような言ってないような……
逆の事は言った気がする。
てかさっき言ったわ。
この状態で付き合ってるとか思ってない……みたいな事は言うたな、僕。
やから嘘でも記憶が戻ったって言ったら……みたいな話をしてきたって事？
そしたら好きとか愛してるとかAが苦手とするそういう話をしなくても、カレカノになれると思たって事？
「いやいやいや、起きて？
なあ起きて？」
ちょっと色々詳しく話したいねんけど、起きてぇやAチャン。
何度かゆすっても、何回も名前を呼んでも全然起きひんわ。
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作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
