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「第一、もしこれがドッキリやったとしたら
僕はここにおらんで。
付き合ってた事実があったからこそ、こうやって側におんねん、僕は」
迷惑かもしれへんけどさ。
ただのファンやったらこんな事せぇへんし
ただのファンでしかない僕が記憶のないAに付き合ってたとか言いがかりつけて近寄ろうもんなら、NEOさん達にしばき倒されとるわ。
ていうか近づけへんわい。
そんな風に言えばクスクス笑っとるAやけど
記憶が戻らんジレンマにやられとるんやろなとも思う。
急に明日戻るかもしれへんし、このまま一生戻らんかもしれへん。
医者にも神様にも分らん事やから、どうにもできひんからモヤモヤすると思う。
「記憶をなくすなら
逆だったらよかったのに」
そう言って、小さく息を吐き出したA。
意味深な事を言うたんかなっていうよりは、その言葉は本音の部分で。
"逆って？"って聞いた僕に、そのまんまの意味だよって言いながら僕を見上げた。
「わからん。
どことどこが逆になったらええの？」
覗き込むようにして聞けば、赤い唇が僕の名前を呼んだ。
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作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
