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◇
で、その肝心な記憶がどうやったら戻るんやろ。
もう一回頭打つとか？そういうショック療法的な？
それは勘弁やし、何か2人で思い出の場所とか行く……といってもどこにも出かけた事あらへんがな。
「先は長いな」
思わず呟いたけど、記憶が戻るのかAがまた僕を好きになってくれるのか
それとも、このまま友達関係で終わるのか。
先の事はほんまにわからへんわな。
「もう寝とき。
寝付いたら帰るわ」
「ん」
小さく返事をしながら素直に目を閉じたAをついついジッと見てまう僕。
こんなに見られてたら寝にくいやろなっていうぐらいガン見。
スベスベの肌に赤い唇。
長いまつ毛に少し赤いほっぺ。
ほんで折れそうなぐらい細い首筋に……
あ？
チリッと胸が焦げ付く感じ。
日に焼けて色黒な僕とは正反対なぐらい色が白いAの首筋に、くっきり付けられとる嫌なモノ。
上体を起こして使える左手でAのシャツの襟元をずらした。
「数原さん？」
突然の事にバッチリ目を開けたAが僕の行動に驚いとるけど
驚いてるのはこっちの方。
「これなんや」
「？」
何を言われてるかわからないって顔。
てか自分じゃ見えへんからわからんわな。
・
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作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
