【氷と炎】⑬数原龍友 (ページ27)

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薄暗い寝室に一緒に入って、なんなら一緒にベッドに寝ちゃう僕。

「え、一緒に寝るの？」

「別にそこに座って見守っててもええけど

　寝る所ガン見されとったら居心地悪くならへん？」

わけのわからん理由をごもっともぽく言う僕も僕やけど

まあそうかも、で納得してまうAに不安は募る。

こうやって他の男にも騙されて行くんやろなっていうそれな。

左手で片肘ついて、ドラえもんの右手で少し距離を取って寝転ぶAのお腹あたりをポンポンしたった。

「子供じゃないです」

「まあええやん。

　こうやってたら落ち着かへん？」

言いながらジリジリ間合いを詰めとる僕に気づいとるやろか。

急にこんな風に強気に出る自分にびっくりしながらも、そういや僕って開き直ったりすると妙に強引な所あったわって過去の自分を思い返して納得。

「ねえ、数原さん」

天井を見上げてたAがコロンと転がって僕の方を見る。

その時にまた少し2人の距離が縮まってドキリとした。

「もし、私の記憶が一生戻らなかったらどうしますか？」

サラリ、細いAの髪が流れてきて、白い首筋が露わになった。

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