【氷と炎】⑬数原龍友 (ページ22)

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「誰に会いに行くの？」

電話を切ってすぐ、Aは自分の件を話されてる事をもう気づいてて、心配そうな顔。

少しだけ僕の方に身を乗り出しとる感じ。

「あいつに会ってくる。

　どんな話が聞けるかわからんけど、そもそも話ができるかわからんけど、聞いておきたい事があんねん」

「……何を聞くの？」

そこを突っ込まれて、一瞬悩む。

「どうしてこういう事になったのかを、聞きたいねん。

　きっかけはなんやったん？って」

僕の元カノが絡んでるかもしれへんって事は、まだ伝えられずにおる。

負い目とかそういうヤツやなくて、マンションのエントランスで会った時の元カノの纏う空気が異様やったから、余計な心配かけたくないというか

知らないなら知らない方がええし、僕が裏で動けばいいと思うから。

「もうこれ以上怖い想いさせたくないねん」

伸ばした手でAの頭に触れる。

ゆっくり撫でて、ハッとした。

「ごめん、つい距離感間違えて触ってもうた」

彼女ちゃうねんなって念を押して、勝手に触れたことを謝った。

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