【氷と炎】⑬数原龍友 (ページ18)

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「まあ……さっきも言うたけど

　今の状態で付き合ってるとは思ってへんというか……僕の事覚えてへんのに彼氏や言われても困るでしょ？」

「まあ……正直なところそうですね。

　でも、なんていうか……」

言いかけて言葉を止めたAはそれ以降何を言おうとしてるのか自分でもよくわからんみたいで悩んでるような顔。

困ったみたいに眉根を寄せとるわ。

「あんま近くにおらん方がええ？」

さすがにここでバッサリ切られるのはしんどいけど、Aが嫌がることはしたくないしなぁって思うと、この核心はついときたい所。

なんて答えるんやろってジッとAを見つめれば、"それはないけど"って言う答え。

「ただ、私は数原さんの事をよく知らないけど

　色々知りたいな……とは思い……マス」

「マジで？」

結構なレベルで意外な答えが返ってきてちょいびっくり。

僕の事が気になるって事やろか、これって。

記憶がなくても、また僕を好きになってくれるかもしれへんってマジでその可能性出てきたやん。

「なんでも聞いてや。

　一緒に撮った写真も見せたろか？」

Aって呼べる関係からAさんって言わなきゃいけない関係になって敬語とタメ語がごちゃ混ぜやったけど

もうどんどん僕の素が出てきとるわ。

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