【氷と炎】⑬数原龍友 (ページ14)

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「そういえば、話ってなんですか？」

一緒に住める話はとりあえず置いといて。

今日ここに呼ばれた本題に触れていく。

ビールを1人で飲んでるのも気が引けて、伸ばした手でAの手から缶を奪った。

そのままプルタブを起こして返せば受け取りながら僕から視線を反らしていくからアレ？って。

なんや、その反応。

話しづらそうな感じやわ。

缶を咥えながらどうしたもんかっていう横顔を見せてるAの頬は少し赤い。

なんやろ、なんの話なんやろ。

「聞きづらい感じっすか？」

「まあ、少し。

　でもちょっと気になって……」

そう言うと一息入れてから、僕の方に向き直った。

最初に伝えられたのはまず感謝の言葉で、昨日あいつを取り押さえてくれた事に対するお礼と

色々と気にかけてくれていた事に。

「まあ……覚えてないから仕方ないですけど

　僕にとっては今でも大切な彼女なんですよね……」

あんまこういう言い方キモイかなって思うけど、まあ本当の事やし

変に偽善者ぶるのも嫌やから言ってみたけど……。

「あ、だからって

　今でも付き合ってるとかそういうキモイ事思い込んではないんで。

　ちゃんと現状を受け止めてます」

これも本心やからそう伝えたら、"そのことを話したくて"と切り出された。

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