【氷と炎】⑨数原龍友 (ページ41)

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名古屋でAと会ってから数週間。

お互いのツアーは順調で、でもあれ以来連絡を取ることもなくて

意図せず距離を置いてる……という事になる。

僕はAの事はテレビで知る以外はその存在を感じる事はなかった。

一ファンに逆戻りやね。

僕も連絡せぇへんし、Aからもこーへんし。

それでも、もしかしたらLINEとかくるかも？なんて思って時間ができるとスマホを眺めてる僕……。

「あかん。自分から連絡する勇気すらない女々しい男やわ」

自嘲気味に呟いて、暇つぶしに開いたインスタ。

なんや？

僕んとこコメント凄い勢いでカウンター回っとる……

グループでの収録のために戻ってきてた都内。

番組収録の騒がしい楽屋内に僕の声が響いた。

「やりやがった！！あのボケ！！」

衝動的にスマホをソファーに叩きつけて立ち上がった僕にこの場にいる全員がびっくりして飛び上がった。

スタッフさんとか、僕が怒った事一度も見た事ないから、本気でビビっとる。

「どうしたん？龍友くん」

裕太くんが恐る恐る僕に近づいてくるから目線だけをそっちに向けたつもりが

無自覚でめちゃめちゃ座ってたらしい……僕の目。

一瞬裕太くんがたじろいだ。

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