[Voice]22登坂広臣

広臣side ページ7

※



「え？なに？ラブレター？」



「あほか、婚姻届け」



意識せず、めっちゃ誤解されるような返しをしてから"しまった"と思う俺も大概。



手渡した先で隆二の目が潤み出した。



「え！？俺と結婚してくれるの！？」



大喜びの隆二と祝福するメンバー。



違うっての。



いそいそと手渡した婚姻届けを開く隆二が、一瞬驚くけれど思いがけず柔らかく目を細めた。



「なにこれ、どっちも臣の字じゃん」



小さく微笑んで。



そう言って皆に見せるその紙には、俺の字でAの名前と俺の名前が書きこんである。



あの日Aに手渡して、なにも書かれずに戻されたやつ。



「俺が死んだら、俺の棺桶に入れて」



「はぁ！？急に何！」



急に死ぬとか棺桶とか言い出した俺に大慌てな隆二だけど、ちょい待て落ち着け。



「だから、俺より絶対お前長生きするだろうから、

　俺が死んだときソレ一緒に居れてくれって事。別に今すぐどうこうって話しじゃねぇよ。

　つか無くすなよ」



「ああ、そういう事ね。

　てか俺臣と一緒のお墓に入りたい♡」



目をハートにして言う隆二に思わず"なんでやねん"なんて突っ込んでしまった。




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