[Voice]22登坂広臣

広臣side ページ43

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さすがにこれはちょっと怖い。



一気にシラフになる程現実が恐怖になった。



「なんだろ、まあ確かに食べれてなかったし、最近。

　それで痩せたかな」



そんな説明じゃ理由にならない変動なのに、安心したくてそんな独り言ばかり。



病院に行こうにも今の時間やってないし、明日は事務所に行かないといけないし



手っ取り早くこの不安を断ち切るにはネットに頼るしかないと携帯に手が伸びた。



ブラウザを開いて食欲がなく、急に痩せたと検索ワードを記入する。



ネットの中の情報なんて宛てにならないし、自分が嘘を書かれて嫌な思いをした事もあるから信用性はないんだけど



でもなんか縋る気持ち。



それがわかってるのに、検索して表示された胃潰瘍の文字に勝手に安心なんてした。



「胃潰瘍かなー。

　それなら納得できる感じ。食欲ねぇし胃もたれするし」



それなら時間が出来た時に病院に行けばいいかなと、楽観的に考えてホッとする。



大きな病気じゃなくてよかった、なんて医者に診てもらったわけでもないのに安心して



残った酒をそのままに寝室に舞い戻る。



ホッとしたのもあったのか、今度はすんなりと夢の中へと堕ちて行けた。




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