[Voice]22登坂広臣

広臣side ページ42

※


家に帰って、シャワーを浴びて。



ベッドに潜り込むころにはもう明け方に近い時間。



ライブ後の興奮も少なからず体に残ってる中に多少なりとも飲んだ酒。



まだまだアドレナリンは完全に消えてない体を眠りにつかせるには一苦労で、結局は起き上がってリビングで1人缶ビールを手にした。



一口飲んでやっぱり変だな、と思う。



「味覚でも変わったんかなー」



空けたのいいけど味が変。



飲みきれない酒に、ようやく自分の中の違和感にまじめに向き合おうと普段乗らない体重計を引っ張り出した。



スイッチを入れてデジタル数字が立ち上がるのを見て。



乗ってみて驚いた。



表示されてる数字が見たこともないやつ。



「は？なんでこんなに痩せてんの？」



自覚がなかっただけに動揺する。



学生時代の体重より少し軽い状態。



それなりに体資本の仕事だから鍛えていたし、デビュー前よりウエイトは軽い状態を保っていたし



それこそ体重を大きく変動させるような事はしてなかったはずなのに



「なにこれ、いつから？」



いつからこんなに減ってた？



自分で自分が怖くなるほど、表示されてる数字は普通じゃない。




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