[Voice]22登坂広臣

広臣side ページ37

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最後の時間を皆で惜しんでる最中ずっと



隆二は俺に抱き着いたままだった。



「いやいやいや、遠距離になる前のカップルじゃないんだから」



さすがに直人さんの突っ込みに皆冷静に俺達に突っ込んでくる。



いくらか流した涙も乾いて、普段通りの俺達が顔を見せる頃になっても隆二は変わらず俺にしがみ付いたままだった。



これがAならいいのに、なんてそんな妄想をしてると後ろでようやく顔を上げた隆二が"臣さー"って意外と冷静な声で話しかけてくる。



「なんだよ、泣いてたんじゃないのかよ」



泣き止んでるんだったら離れろよって、冷たく言ってみるけどそれまでくっつかせていた優しい自分に苦笑い。



俺は死ぬまで隆二に甘いんだと思う。



「臣、痩せた？

　抱き心地が違う」



「誤解されるいい方はやめろ」



いつも通りに強めに反論して引き剥がしてやろうと思ったのに。



振り返った所で隆二が心配そうに俺を見ていた。



「ねえ、ちょっと痩せすぎじゃね？

　てか、急に痩せたよね」



びっくりすぐらいマジメなトーンで、どうしてか俺の腕を掴んで心配そうにこっちを見ていた。




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