[Voice]22登坂広臣

広臣side ページ24

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モニター越しに見える隆二のご機嫌な笑顔と隣に映る酒と。



この小さな画面ごしに隆二のこのニャンちゅうスマイルを見るのは今日で見納めかも……なんてちょっとした事にも反応しちゃう俺だけど、冷静に考えれば隆二はきっといつまでも俺の家にこうやって笑顔でやってきそうだ。



「今開ける」



そう言った時にはもうモニターの前にいなくて、おそらく自動ドアの所で"早く早く"と足踏みしてるんだと思う。



その姿を想像するとちょっとイジワルしていつまでも開けずにいてやろうなんて思うのに



俺の足元にすり寄ってきた銀ちゃんがカワイイ声でにゃぁ。なんて鳴くもんだから。



イジワルしないでね、なんて言われてるような気がして素直に開錠してやった。



そこから数分せずにやってくる隆二は、酒の他に両手に猫じゃらし。



「あれ、なんかデジャブ感」



「猫ちゃーん！！」



なんかフリフリしながらリビングに突進していく隆二に、子猫でなくともびっくりするでしょうね。



白い毛をめっちゃ逆立てて威嚇しまくりだし。



「えー、怒ってるカワイイー！」



隆二って動物に好かれるような気もするんだけど、なんていうか



愛が重すぎて嫌われるパターンなんだろうなって



大きな背中を丸めて、逃げていく銀ちゃんを追う隆二にそんな事を思った。




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