今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:328,731 hit
小｜中｜大
広臣side ページ44
※
「ところでさ」
赤く染まるような空気を一蹴しようと旅行の話を持ち掛ける。
俺は別にこのまましつこく責めてもいいんだけどね。
でもそんな事したらAが逃げていきそうで俺の方から話を逸らしていく。
「今度の休み一緒に旅行に行かない？」
「行きません」
すっげー即答で返されたし。
悩む素振りなんて見せずにマッハの速さ。
「なんでよ！」
コッチも負けない程早い突っ込み入れたけど、"行かない"っていう判断は変わらない。
「ハイリスクハイリターンじゃないですか！芸能人と旅行なんて！
何かあったらどうするんですか」
「あー、そういう意味ね。
俺てっきり俺とは行きたくねぇって事かと思ったわ」
「行きたくないですよ」
そうじゃなくて。
芸能人っていう理由なら納得できるって話。
俺個人とは行きたくねぇって事を言ってんのかと思ったんだよ、って説明しても同じような事だと言って"行かない"を連発中。
「でももう行くって決めたし。
スマホで予約しちゃったし。
一棟貸し切りだから大丈夫だし」
「何畳みかけようとしてんですか。
行かないですよ、私は。もし写真撮られたりしたらどうするんですか」
「ん。だから変装よろしく」
「行かないですってば！」
噛み合わないやり取りが続く中、予約した温泉宿のHPを見せてやれば、簡単にAの意志が揺らいでいく。
っていうか、完全に崩れ去った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 892人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui
| 作成日時：2017年9月19日 14時
