[axis]⑪登坂広臣 (ページ43)

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広臣side ページ43

※

実際、俺がAと知り合った時

Aは大輔さんとはよく相談してるみたいなのはわかったけど、武の事なんてその存在も知らなかったわけだし。

なんなら日銀に潜入したあの時に出くわす事がなかったら、俺はずっと武の事を知らなかったはず。

健ちゃんに抱きしめられて泣くこの小さな子供と

自覚なく、逆に護ってるつもりで動いていたあの大人2人。

「よしわかった。

　お前ら3人、今日俺んちで説教な」

腕を組んで、そう宣言した俺は携帯を取り出しAにラインを送る。

夜、俺の家に集合って事と大輔さんを連れてきて欲しいって事。

それから。

「大輔さん、A、武に俺から説教があります」

言葉にしながら打ち込んで送信すれば、すぐに返事が返ってきた。

"なんで！？"っていう少し驚いた様子のAの返信にはそのままスルーして健ちゃんとこで泣いてる武の頭を撫でた。

「とりあえず、俺んち行くか」

気づかせてくれた直人さんと、受け入れてくれた皆にお礼を言って。

泣きすぎで疲れてる武を連れてテレビ局を後にした。

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