[axis]⑪登坂広臣 (ページ41)

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広臣side ページ41

※

「大輔さんは何を考えてるの？僕と同じこと？」

恐る恐るという言葉がぴったりなんかな。

武の言葉が少し緊張してるようにも思えた。

「…前も言ったろ？大輔さんは演じてるって。それ正しかったんだよ。

　お前らのばーちゃんの指示で頭がいいのを隠して何も出来ないふりしてる。

　タイミングを見て仮面を少しずつ脱いで、日銀からこの血筋を排除するつもりで動いてるんだよあの人は」

潰すかどうかって言う話になると答えはNO。

だから完結に言うならば

「日銀を生まれ変わらせるつもりだと思う」

その言葉に、武は大きなため息を吐き出した。

「それでも僕は潰したい」

「でも、お前わかってねーと思うけど、自分の親が告発されてる状態で身内のお前が継ぐのは無理だと思う」

現に前の総裁のAはそれを理由に辞任してるわけだし、大輔さんもそれが理由で総裁職に就けないから株主総会で票を集めようとしてる。

武だけが例外なんてことはないし、ましてや未成年。

正式就任する前に一週間後に開かれる臨時株主総会で反対されるだろうしね。

「そんな話知らない。

　誰も教えてくれなかった」

そう言った武が悔しそうに顔を歪めるから。

泣きたいんじゃないかと健ちゃんが傍に寄った…。

思った通り、泣き出した武。

でもその中で言った言葉が

"僕だけ仲間外れ"だった。

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