[axis]⑪登坂広臣 (ページ39)

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広臣side ページ39

※

「僕のやりたい事はまだ始まってもない」

その言葉の本質を知らない俺以外のメンバーは"何を始める気？"って質問するけれど

意味を知ってる俺がそれを遮った。

「お前、まだ日銀潰すとか言ってんの？」

そう言ってさらに続ける言葉を少しだけ荒げた。

「もう潰れたも同然じゃん。お前らの親全員逮捕されたんだから」

「逮捕されたぐらいじゃ潰れないよ。この血筋がある限り日銀は呪われ続ける」

そう言った武の目が元に戻ってる。

会見をした時の目そのものだ。

だから、俺は大輔さんの話を持ち出したこの血筋を断ち切ろうとしてるヤツが他にもいる事を思い出してもらうために。

「だーかーらー、大輔さんが変えようとしてたじゃねーか。

　自分が会長になって血筋以外から総裁や他の役員決めるって、もうこの負のループを断ち切るって」

なんでわかってくれねーんだこいつは、って思わず苛立って声を荒げた俺に。

武が目を見開いて小さな声で呟いた。

「なにそれ、僕知らないよ？そんな話」

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