[axis]⑪登坂広臣 (ページ37)

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広臣side ページ37

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生放送が終わって楽屋に戻れば、興奮した武が出迎えてくれた。

隣ではマネージャーさんが苦笑いしてる。

「もうさっきから凄いの連発だよ。

　武くん、ファンクラブに入りたいって言ってるし」

ここに連れてきた時とは全く違う表情をした武が俺に飛びついてくる。

「登坂さん凄い！ただのオジサンじゃなかった！」

「ぅおい！オジサン言うな！」

ってこいつからしたら十分おじさんか。

10代と30代、まあそうなるわな。

「嘘嘘、おにーさん。凄かった！なにあれ、凄かった！」

無邪気にはしゃぐ姿を見れてなんか俺も嬉しいし

健ちゃんに至っては"せやろせやろ"なんて武を抱きしめてる。

武も嬉しそうに健ちゃんに懐いてるし、健ちゃんとのこの距離を拒まない。

しかも。

「サブも見せてあげたんだけどね、ものすごい興味津々だったよ」

マネージャーさんの言葉に思い出したようにまた興奮を見せた武。

もともとパソコン操作に長けているだけに、そう言った機材のある場所は興味の本命だったようで

SWさんの仕事を見て、どうもその場で構ってくれた人にあれこれ質問をぶつけていたらしい。

しかも初めて見た仕事なのに専門職と言っていい程のみ込みが早く理解もすごかったようで

冗談だろうけどスカウトされたとか。

「日銀の子ってのバレてたけどね」

そう言った言葉に一瞬武が悲しそうな顔をした。

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