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広臣side ページ36
※
俺達が歌う番がやってくる。
CMを挟んだその最中にスタンバって、7人ポジションに入る。
少し遠いけどちょうど正面に位置する武がジッと俺達を見ながら小さな手を振っていた。
「カワイイ事するやんけ」
健ちゃんってばもう完全に自分の弟状態。
手を振り返して、CM明け数秒前の声を聞く。
明けた瞬間に始まる曲に一気に集中を高めた。
この場にいる武は当然だけど、テレビの向こうでAも見ててくれたらいいなと思いながら
精一杯の感情をこめて歌ったこの歌が、2人以外の誰かの心にも響けばいいなと思いマイクに向かってカメラに向かって全身全霊のパフォーマンスを披露する。
隆二と共鳴するように歌う事が心地よくて、それが電波に乗って誰かに伝わる時
たとえ目に見えなくても、すげぇ嬉しい。
自惚れかもしれないけど、歌で誰かの想いを変える事が出来る事が証明されたって事だから。
今正面に居る武の目が輝いてるようにも見えるのは
俺達一人ひとりの動きを見逃さないように必死になってこのパフォーマンスを感じてくれてるって事。
それってエンターテイナーとして、冥利に尽きるよね。
あの目は感じてくれてるってわかる
俺達の歌で心が動き出したって事が。
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作者名：Rui
| 作成日時：2017年7月4日 21時
