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広臣side ページ33
※
もうすぐ生放送が始まるっていう声がかかる。
「武、行くでー」
すっかり兄貴気取りの健ちゃんに、懐いた武は泣き顔からワクワクした顔に変わり健ちゃんの後を追う。
スタジオの裏に向かう中、今では誰も聞いてくれない健ちゃんの釣話を武は興味津々に聞いているようだった。
「釣に興味あるのかもねー」
隣を歩く直人さんが言う。
「健さんも釣りの話を聞いてくれる人できてよかったっすよね」
岩ちゃんがケラケラ笑ってる。
その対象の2人を後ろから眺めれば、健ちゃんがキャスティングの動きを説明してる所。
熱い、釣りの話になると熱いね彼は。
後ろで俺達が苦笑いしてるとも知らず、熱弁の健ちゃんと同じようにキャスティングの真似をする武が本当の兄弟のようで
この姿を見てるだけでも、連れてきてよかったなー…なんて思う。
「ちゃんと笑えるじゃん。
もっと生意気な子なのかと思ったよ」
お父さん目線の直己さんにもそう言ってもらえると、やっぱり武の中で少しずつ変化があるんだろうなと感じた。
Aが俺の傍で変化が起きたように
武にも起こればいいなと思う、いい方に動く変化が。
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作者名：Rui
| 作成日時：2017年7月4日 21時
