[axis]⑪登坂広臣 (ページ19)

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広臣side ページ19

※

体が勝手に動いた。

前回の砂羽さんと同じ感じと言えばいいだろうか。

ちょっと違うけど、傍に行ってやりたいと思う。

ただ今回は9階。

前回は6階だったからまだいいけど、9階って結構ハード。

硬い階段を駆け下りて、会見が行われている会場に向かって走る。

人込みをかき分けて、機材を抱えている各局のクルーの合間を縫って、会場へ強引に突き進めば

一度目と同じとは言わないけれど、またしても混乱してる会見場。

こんなの二回もテレビで放送しちゃって日銀の評価はどうなんだろ…なんてちょっと余計な事も考えちまう。

頭ん中で色んな事を考えながら辺りを見回して。

見つけた。

母親に泣き付かれている武の姿を。

係の人に促されて裏へ退場していこうとしてる所。

俺もまた来た道を戻り裏手に回る。

当然そこにはスタッフさんが控えてて不審者などの見回りをしてるけど、そこに俺は入りたいわけで。

「ここから先は関係者以外立ち入り禁止です」

そうやって止められた…まあ当然。

だから素顔を露わにして俺を俺だって気づいてもらう、その上で。

「武の友達です。中に入れてください」

そう言った言葉と同時に、向こうから扉があいた。

出てきたのは武1人。

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